アラサーのおっさん、怪獣に変身し、怪獣を駆除する=「怪獣8号」1~3【ネタバレあり】

各地に怪獣が出現し、容赦なく建物を破壊し、人々が犠牲になる「怪獣多発国・日本」で、怪獣を駆除する「防衛隊員」を目指しながら挫折し、現在は駆除された怪獣専門の清掃業に従事するアラサー「日比野カフカ」が、謎の生物によって自らが怪獣化し「怪獣8号」となったものの、防衛隊の一員として怪獣駆除に乗りだす、異世界「怪獣」シリーズがこの『松本直也「怪獣8号」(JUNPコミックス)』です。

今回は、カフカの怪獣化から、優秀な知能をもった新世代怪獣の出現とカフカが防衛隊に参画する第1巻から第 巻までを登場人物や舞台設定など総解説しておきます。

主な登場人物

日比野カフカ(怪獣8号)

関東(おそらく神奈川県横浜市近辺と思われます)に住むアラサーの男性で、怪獣を駆除する防衛隊の中でも精鋭といわれる第3部隊の隊長「亜白ミナ」とは幼なじみ。

小学校時代に、彼女と一緒に防衛隊に入隊し、怪獣駆除をすることを誓い合うもカフカは入隊ならず、怪獣千ものの清掃会社に勤めて生計をたてています。

防衛隊の中でもトップクラスとなった亜白ミナとの格差に悲哀を感じながらも、怪獣清掃の暮らしに甘んじていたのですが、清掃会社に入社してきた新入社員の影響と入院していた病院で出会った謎の生物によって人生が変わっていきます。

市川レノ

カフカの勤務する怪獣専門清掃会社に入社してきた防衛隊志望のアルバイト。清掃活動中に余獣に襲われたところをカフカに助けられ、それからカフカを先輩として扱い、一緒に防衛隊に入隊して怪獣駆除に携わることになります。怪獣駆除を専門に勉強する駆除大や高専出ではないのですが、出身者を上回る才能を見出されます。

四ノ宮キコル

防衛隊のトップ・四ノ宮長官の娘で幼い頃から英才教育を受けて成長した防衛隊の期待の星。幼い頃に、同じく御防衛隊員だった母親を怪獣に殺され、その仇をうつ使命感が彼女を動かす原動力となっています。

防衛隊の正規隊員となる最終試験の会場に突如出現した人型怪獣「怪獣9号」に襲われたところをカフカに救われ、それ以来恩義を感じています。

亜白ミナ

日比野カフカの幼馴染で防衛隊の若きホープ。27歳の若さで第三部隊の隊長を務め、すでに数百体の怪獣を、武器の携帯型巨大砲で仕留めています

保科宗四郎

亜白の腹心ともいえる第3部隊の副隊長。剣の達人で、接近戦による中小型の怪獣の駆除を得意としています。

怪獣9(10号)号

防衛隊の新入生の最終試験の時に突如出現した人型怪獣。高い知能を有し、人間を同化吸収して、その情報を利用して人間社会に潜伏しています。怪獣を製造する技術を知っていて、人間社会を完全破壊することを狙っているようです。自らの分身のような怪獣も作り出すことができ、今まで大型怪獣をメインに扱っていた「防衛隊」の脅威となっていきます。

あらすじと注目ポイント

第1巻 アラサーのおっさん・日比野カフカ、怪奇生物を呑んで怪獣になる

第1巻のAmazonのレビューでは

怪獣発生率が世界屈指の日本。この国は、容赦なく怪獣が日常を侵していた。かつて防衛隊員を目指していたが、今は怪獣専門清掃業で働く日比野カフカ。ある日カフカは、謎の生物によって、身体が怪獣化、怪獣討伐を担う日本防衛隊からコードネーム「怪獣8号」と呼ばれる存在になる。

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と紹介されていて、怪獣専門清掃会社の社員として日々を送っていたカフカは新入アルバイトの市川レノに煽られる形で、年齢制限が緩和された防衛隊を再受験し、名だたるエリートたちに交じって最終試験まで残ります。

しかい、その最終試験の会場に防衛隊側も想定していなかった、人型の怪獣が出現し、受験生たちが倒した怪獣を次々と蘇らせます。

そして、その人型怪獣は、受験生中のホープ・「四ノ宮キコル」を襲撃し、彼女を食おうと迫ってきて・・という展開です。

第2巻 カフカは候補生として防衛隊に入隊。初任務はキノコ型怪獣の駆除だが・・

第2巻のAmazonレビューは

防衛隊員選別試験の最終審査が終了した時、謎の人型怪獣が討伐したはずの本獣を蘇らせ、四ノ宮キコルら受験者たちに襲いかかる。キコル絶体絶命の時、怪獣に変身した日比野カフカが、本獣の前に現れる…! 果たして人型怪獣の正体とは…? その目的とは…? ――謎が深まる第二巻!!

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第1巻で人型怪獣に襲撃され、命を落としそうになっているキコルの前に怪獣に変身したカフカがかけつけ、人型怪獣によって蘇った「本獣」と対峙し、これを簡単に駆除します。

カフカが怪獣に変身した時のレベルは「歴史に残る大怪獣」レベルのようなので、ほとんどの怪獣が相手にならない強さです。

そして、試験会場から姿を消した人型怪獣(怪獣9号)はカフカの勤めていた怪獣清掃会社にアルバイトとして潜り込み・・という筋立てです。

試験の結果、正式隊員となった四ノ宮キコル、市川レノに対し、候補生として潜り込むことができたカフカは初任務として、相模原に出現したキノコ型怪獣の駆除に向かいます。

そこで、今度は駆除した怪獣の前にいた市川レノの前に、第1巻でキコルを襲った人型怪獣が出現し・・という展開です。

第3巻 再び人型怪獣出現。カフカ(怪獣8号)との戦の結末は?

第3巻のAmazonレビューは

防衛隊員、市川・古橋を助ける為、怪獣に変身したカフカは、圧倒的な力で人型怪獣を叩きのめす。だが止めを刺す時、防衛隊員たちに発見され、人型怪獣に逃げられてしまう。目的を果たしたカフカが現場から離脱しようとした時、そこに保科副隊長の姿が…!? ――動乱極まる、第三巻!!

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となっていて、市川レノと古橋伊春をいたぶっていた人型怪獣の前に、怪獣に変身したカフカがかけつけます。

いままで一方的にレノたちを攻撃していた人型怪獣なのですが、カフカ(怪獣8号)の圧倒的な力には勝てず、怪獣の心臓ともいえる「核」をさらけ出すところまで破壊されてしまいます。

もう一歩で「駆除」というところまで追い詰めたのですが、ここで防衛隊の他のメンバーがかけつけ、その隙を狙って人型怪獣は逃げ出します。

そして、レノをたちをいたぶったのが、カフカ(怪獣8号)だと誤解され、カフカは防衛隊の副隊長・保科と戦う羽目になり・・という展開です。

保科と怪獣8号とのアクションシーンを楽しんでもらうととともに、今回のオペレーションで晴れてカフカが正式隊員となることとなります。

そして、この巻の最後では、防衛隊の基地へ非行怪獣が集団で飛来し、次巻以降は防衛隊基地を舞台にした戦闘が始まっていきます。

レビュアーの一言

「怪獣8号」はつまらないという声もある

「怪獣8号」は2024年4月13日23:00から東京テレビ系列で放映されるとともに、Xで全世界にリアルタイム発信される予定になっていて、人気漫画といっていいのですが、一部読者からはつまらないという声もあがっています。

その理由は

①敵キャラの「怪獣9号」が人間社会に敵対する理由がはっきりしない

②主人公「日比野カフカ」のキャラがきもい

③カフカの怪獣に変身するという身バレが早すぎる

④テンプレ的展開が多い

といったことがあげられています。展開的に早いほうではないので、早いテンポのストーリー展開が好みの読者は物足りないところがあるのかもしれないですね。

「怪獣8号」はますます人気上昇と予測

以前は、休載の多さから、つまらない、打ち切りという声もあった「怪獣8号」なのですが、

①怪獣との行き詰るアクションシーン

②多彩で個性的なキャラが多く登場して、その活躍具合も個性的

③アラサーの主人公「カフカ」の挫折人生が物語に深みを与えている

といった点などアニメ化によって、これからますます人気上昇が期待できるマンガといえます。

設定的には、挫折していた主人公が偶然のアクシデントから、「異形の存在」となって強くなり、並み居るエリートたちを押しのけて、強力な敵と戦っていく、という戦闘もの、成り上がりものの王道はきっちりおさえてあるので、ある意味安心して読める、ともいえるので、期待していきたいですね。

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