ブックレビュー

あさのあつこ

あさのあつこ「烈風ただなか」=親友の許嫁の遭遇した殺人が、父の秘密と藩の重大事件を暴き出す

江戸時代中期の石高十万石の中堅どころの「石久藩」を舞台に藩の上士の端っこの組頭の家の嫡男「鳥羽信吾」を主人公に、彼が友人の「間宮弘太郎」や「栄太」とともに、藩政の闇に繋がる陰謀に巻き込まれ、その謎を解きき明かしていく「ただなか」シリーズの第...
あさのあつこ

あさのあつこ「薫風ただなか」=少年藩士は、友とともに藩主暗殺計画の真相を探る

天保の大飢饉が収束してから時代がもう少し下ったあたりの江戸時代中期、表高十万石ながら内高は十五万石を超え、交易に適した良港をかかえて豊かな「石久藩」を舞台に、藩の組頭を務める鳥羽家の跡取り「鳥羽信吾」が、薫風館という藩の下士や商人・農民が中...
ブックレビュー

「王道」ばかりが「道」じゃないー高野秀行「間違う力」

感染症による行動制限が続く中で、世の中に抑圧感が日に日に高まってきているのを感じていて、こんな時向けに気の晴れる本が欲しいと思うのだが、やる気を鼓舞する煽り系や、明日に向かって・・の応援系は、疲れている「精神」には刺激が多すぎて、ちょっと敬...
成田名璃子

楓の「すみっこごはん」は母を超えるー成田名璃子「東京すみっこごはん レシピノートは永遠に」

東京の私鉄駅沿線にある昔ながらの商店街のはしっこにある、みんなで集まり、当番で選ばれた誰かの手作りごはんを食べる共同台所を舞台に繰り広げられる人情ものがたりの「東京すみっこごはん」シリーズの第五弾が本書『成田名璃子「東京すみっこごはん レシ...
ブックレビュー

薬師の少女・猫猫(マオマオ)は宮廷内で名推理を見せるー日向夏「薬屋のひとりごと」1

昔、大陸の中央にあったという設定の大国「茘(リー)」の宮廷を舞台に、薬師出身の少女「猫猫(マオマオ)が、宮中でおきる難事件の数々を、薬学知識と鋭い推理で解き明かしていく歴史ファンタジー系ミステリーが『日向夏「薬屋のひとりごと」(ヒーロー文庫...
池井戸 潤

航空会社再建の裏にある「悪事」を片付けろー池井戸潤「銀翼のイカロス」

地位や権力をかさにきたり、隠れ蓑にして私腹を肥やしたり、部下を犠牲にして成り上がろうとする者たちに対して「やられたら、やり返す。倍返しだ」と鉄槌を加えていく、半沢直樹シリーズの第四弾が本書『池井戸潤「銀翼のイカロス」(ダイヤモンド社)』です...
池井戸 潤

企業買収に絡む悪だくみに「倍返し」をー池井戸潤「ロスジェネの逆襲」

銀行からの融資を無断転用した上に偽装倒産した会社社長や自分の妻の会社の負債の穴埋めのための浮き貸しをする銀行幹部など悪質な経営者やバンカーに「やられたらやりかえす!倍返しだ!」と、鉄槌を加える半沢直樹シリーズの第3弾が『池井戸潤「ロスジェネ...
池井戸 潤

銀行上層部の不正取引を暴き出せー池井戸潤「オレたち花のバブル組」

「やられたらやりかえす!倍返しだ!」のキャッチフレーズで、銀行の内部に巣食っている悪徳銀行員や銀行を食い物にする不誠実な取引先の嘘や悪事を暴く銀行マンの活躍を描く「半沢直樹」シリーズの第2弾が『池井戸潤「オレたち花のバブル組」(講談社文庫)...
池井戸 潤

半沢直樹の「倍返し」の始まりの物語ー池井戸潤「オレたちバブル入行組」

バブル絶頂期に都市銀行に入行し、これで一生安泰と思っていたところが、バブル崩壊に伴う都市銀行再編のためポストは減少し、経営環境は先行き見えない中で中堅バンカーが、私腹をこやす悪徳取引先や、背任上司に「倍返し」の復讐をする痛快ビジネスストーリ...
出口治明

出口治明「還暦からの底力」ー迷ったらやる。迷ったら買う。迷ったら行く

日本生命を退職後、60歳でライフネット生命を創業し、ネット生命保険の草分けとして事業を軌道にのせた後、今度は立命館環太平洋大学(APU)の学長として国内外の学生の教育にあたる、という年齢にとらわれない活躍を続けておられる筆者の、人生100年...