時代小説・歴史小説

井原忠政

熊撃ち猟師は鳥居耀蔵の陰謀でスナイパーになる=井原忠政「人撃ち稼業」

ベストセラーシリーズ「三河雑兵心得」で、大軍を率いて敵を殲滅する武将でも、お家の犠牲になる姫君でもなく、槍一本を手に戦に出て、こつこつと功を積み上げて出世をしている百姓上がりの戦国武士の物語を描いている筆者が、江戸時代の後期、11代将軍。家...
山本巧次

連続毒殺事件に潜む「薩摩」の陰を暴け=山本巧次「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 司法解剖には解体新書で」

元OLのフリーター・関口優佳が、祖母が遺した東京下町の古い家の押入れから江戸時代へとタイムスリップし、江戸と東京を行き来しながら、南町奉行所の同心・鵜飼伝三郎配下の小粋な岡っ引きとして、江戸市中の事件を解決していく「関口優佳」こと「おゆう」...
今村翔吾

江戸、甲州、蝦夷で大バトルが同時発生。蝦夷にはロシアの陰も=今村翔吾「風待ちの四傑 くらまし屋稼業8」

「依頼は必ず面通しの上、嘘は一切申さぬこと」「決して他言せぬこと」「捨てた一掃を取り戻そうとせぬこと」といった七箇条の約定を守りさえすれば、現在の暮らしから、だれでも「くらます」が、この約上を破った時は、この世から「くらます」ことを生業とす...
井原忠政

茂兵衛は家康の側近・馬廻役となるが、座り心地は最悪=井原忠政「馬廻役仁義 三河雑兵心得」

三河の国の、まだ小国の領主であった松平(徳川)家康の家臣団の最下層の足軽として「侍人生」をスタートさせた農民出身の「茂兵衛」。吹けば飛ぶような足軽を皮切りに、侍としての出世街道を、槍一本で「ちまちま」と登っていく、戦国足軽出世物語の第十弾が...
時代小説・歴史小説

画狂人・北斎をセレブ門人の視線からみると=梶よう子「北斎まんだら」

富岳三十六景をはじめとする膨大な量の浮世絵と、その斬新な画法とアイデアで、日本だけでなくヨーロッパの絵画界へも大きな影響を与えた画狂・葛飾北斎。その絵師に弟子入りを志願する地方の豪農商の跡取りの「高井三九郎」の視点から、北斎とその娘・お栄、...
赤神諒

「民の国」建設の途上で斃れた「武僧」の物語=赤神諒「仁王の本願」

戦国時代の終盤、織田信長による天下統一の動きが進む中、加賀を支配下におさめようとする戦国大名たちの攻勢をはねのけて、民が自らの意思によって政事をすすめる「民の国」をつくろうと奮戦し、その途上で倒れた、北陸加賀一向宗で最強といわれた武僧・杉浦...
時代小説・歴史小説

名所絵の浮世絵師「歌川広重」の見事な「遅咲き」の大成功=梶よう子「広重ぶるう」

八代洲河岸の定火消同心を務めながら浮世絵の副業をはじめ、東海道五十三次の宿場を描いた名所絵を世に出し、その藍色の美しさから、ヨーロッパで「ヒロシゲ・ブルー」と呼ばれ、ゴッホやモネなどの「印象派」に大きな影響を及ぼした、江戸後期を代表する浮世...
時代小説・歴史小説

嗅覚に優れた調理人見習い少女・ちはるの活躍を読もう=高田在子「まんぷく旅籠 朝日屋」シリーズ

江戸の日本橋室町の潰れてしまった料理屋を改装した小さな旅籠「朝日屋」を舞台に、両親が営んでいた料理屋を板前の悪だくみで潰され、その後両親と死別した娘「ちはる」が、その優れた嗅覚を使って料理の腕を磨き、店の仲間たちとトラブルを解決していく、ハ...
時代小説・歴史小説

江戸時代の百均を舞台に、娘船頭・お瑛が大活躍=梶よう子「みとや・お瑛仕入れ帖」シリーズ

文化四年(1807年)におきた史上最悪の落橋事故といわれる隅田川の崩落事故で両親を失い、その後、借金の代に両親の営んでいた小間物屋をのっとられた少女「お瑛」。16歳になってやっと兄と二人で開店した小さな店を切り盛りしていく姿を描く、お仕事系...
赤神諒

戦国期の北九州が舞台の若き武将の恋と戦の青春群像=赤神諒「立花三将伝」

北九州の豊後、豊前、築後に覇を唱えた、鎌倉以来の武家の名門「大友一族」の戦国末期の興廃をテーマにした「大友二階崩れ」「大友落月記」や「大友の聖将(ヘラクレス)」といった作品で北九州の戦国絵巻を描き、(失礼ながら)あまりメジャーとは言えない地...