中原淳

今こそ人事部門が「存在価値」「存在するメリット」を見せるべき時なのだ — 本間浩輔・中原淳「会社の中はジレンマだらけ 現場マネージャー「決断」のトレーニング」 (光文社新書)

成果主義、年功序列の崩壊、ダイバーシティなどなど、働く環境は最近本当に目まぐるしく、主導理念が変わったり、付加されたりするのだが、急激な変化は当然、軋轢を生むもの。そして、そうした軋轢は、現場の管理職・マネージャーたちを直撃することが多いの...
PDCA

PDCAが回らないのは「回る仕組み」がないから — 岡村拓朗「自分を劇的に成長させる PDCAノート」(フォレスト出版)

「PDCAが大事」とか「PDCAを回さないと」といった発言がビジネス現場ではよく聞かれるのだが、では実際にどうやって「回せばいいの」となると、途端に「モゴモゴ」してしまうことが多いのではないだろうか。 そういう向きに、「PDCAノート」とい...
ワークスタイル

理想の「オフィス環境」はオープン型かクローズド型のどちら?

WIRED Japanで「オフィスが「オープン」な石灰だと、生産性が低下するー企業での実験の詳細と、そこから見えてきたこと」と題して、「生産性が高くなるオフィス」についてのレポートがされている。 要点は ・壁や間仕切りを取り計らったオープン...
プランニング

「クリエイティビティ」を上げたい人は、とにかく「移動すること」を考えよう

仕事の企画を練ったり、新しい事業プランを考えたりといった時に、多くの人が、上司や同僚、あるいは社内会議で言われるのが、「もっとクリエイティビティをあげないとね」という「温かいご指導」。   でも、「わかっちゃいるけど・・・」というのが本音の...
歴史

「平成時代」の序章として1980〜1990年代を読み解く — 堀井憲一郎「若者殺しの時代 」(講談社現代新書)

先日、1990年台の終わりから2010年頃にかけての時代風景について論じた、同じ筆者の「やさしさをまとった殲滅の時代」をレビューしたところなのだが、時代風景というものは戦争とか内乱・革命のない限り、ガラッと一挙に変わるものではなくて、連続性...
歴史

「平成」の時代は何だったのか — 堀井憲一郎「やさしさをまとった殲滅の時代 」(講談社現代新書)

昭和の時代が昭和天皇の生物的な衰えと死という終わり方をしたのに対し、平成の時代が「退位」という形で、とても「人工的」に終わろうとしている。「平成」は年数的には、1998年に始まり、2019年に終わる約31年間の、明治より短く、大正より長い、...
読書

「修行」「苦行」の読書はやめにしませんか — 印南敦史「読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術」(星海社新書)

LifeHacker Japanで多くの書評を発表している著者の手による「読書術」なのであるが、前作の「遅読家のための読書術ー情報洪水でも疲れない「フロー・リーディングの手法」でも、読書スピードが遅いことを明らかにした上での読書術を展開され...
蓑輪諒

丹羽長秀・長重と江口正吉、丹羽家主従の逆境を跳ね返す大奮戦記 — 蓑輪 諒「うつろ屋軍師」(祥伝社文庫)

戦国時代をテーマにした歴史時代小説といえば、その主人公は織田信長や豊臣秀吉あるいは徳川家康と言った天下を統一した綺羅星のような武将か、あるいはその周辺の石田三成や伊達政宗、ちょっと変わったところでは武田信玄、上杉謙信といったところが大抵のパ...
グルメ

極度に「東京的」な懐かしい味は、今、滅びつつあるのかもしれない — 町中華探検隊「町中華とは何か 昭和の味を食べに行こう」(立東舎)

> グルメ・リポートというと「豪華」路線か「ヘルシー」路線か、といったところが最近の定番であるような気がするが、そのどちらからも離れたところにいるのが、「町」の「中華料理」「中華屋」というものであろう。   本書の構成は   プロローグ・・...
コミュニケーション

「コーチング」というものの「初歩の初歩」を学ぶ — 本間正人・松瀬理保「コーチング入門(第2版)」(日経文庫)

「コーチ」というと当方のような中高年世代は、テニスやバレーをテーマにした少女スポーツマンガの世界で登場するぐらいしか心当たりがないものだったのだが、本来は、そうした分野に限定して考えるものではないらしい。   構成は   第1章 コーチング...