沢渡あまね

「働き方改革」=「時間外削減」ではないことを認識すべし — 沢渡あまね「働く人改革」(インプレス)

本書の題名は「働く人改革」であるが、原書では、「働く人」の後に二重の取り消し線の引かれた「働き方」の文字が記されている。 そう、今喧しい「働き方改革」への一種のアンチテーゼが本書である。 構成は はじめに 働き方改革=残業なくせばそれでいい...
仕事術

日本の会社の「属人化」をなくすには、職場の「達人崇拝」や「専門家の神格化」をやめることが一番

沢渡あまね氏の「問題地図」シリーズを読んでいて、働き方改革の阻害要因の一つに、仕事の「属人化」ということがよくでてくる。「属人化」が進行すると、一定の仕事が特定の個人のノウハウとか知識に依存していて、その人がいないと仕事が滞ったりする上に、...
大倉崇裕

”季刊落語”の「緑」さんも、二つ目昇格っぽく、良い味だしてきました。 — 大倉崇裕「やさしい死神」(創元推理文庫)

落語専門誌の編集者二人を、ホームズ役とワトソン役にした、この「季刊落語」シリーズの三冊目である。2冊めは、落語界の名門の跡目相続絡みの事件を扱った長編であったので、短編集としては2冊めとなる。編集長の「牧」と新米編集者の「間宮緑」のかけ合い...
仕事術

「稼ぐ」体質になるには、日々の地道な行動が大事 — 午堂登紀雄『「お金をもらう」から「稼ぐ」人になる習慣術』(パンダ・パブリッシング)

最近、「働き方」を中心にしたレビューが多かったのだが、働く環境の整備も大事だけれど、「お金が儲かる」ようにならないと「働き方」だけよくしてもねー、という向きも多いかと思う。そうした向きに、「根底にあるのは、「僕たちにとって無駄な経験は何もな...
沢渡あまね

「職場」と「仕事」だけではない。「働き方」の本当の改革が必要な理由。 — 沢渡あまね+奥山睦「働き方の問題地図」(技術評論社)

「職場」「仕事」と仕事がうまくいかない原因について分析がされてきた「問題地図シリーズなのだが、今回は、そもそもの「働く」ことの基礎である「働き方」の分析である。 構成は 1丁目 グローバル化できない職場 2丁目 正社員だけ 3丁目 完全出社...
沢渡あまね

ワーカー、リーダー、職場環境の三方それぞれに原因がある「仕事」がうまくいかない現実への処方箋 — 沢渡あまね「仕事の問題地図 」(技術評論社)

私達が仕事をしていく上でのさまざまな障害について、「職場」に着目して分析してみたのが。「職場の問題地図」であったのだが、「仕事」そのもの、あるいは「仕事をする人」の視点で分析してみたのが、本書である。 構成は はじめに〜どうして仕事が進まな...
大倉崇裕

「謎解き」と「落語」の見事なコラボレーション — 大倉崇裕「三人目の幽霊」(創元推理文庫)

落語ミステリーのキャストといえば、愛川晶の「神田紅梅亭」シリーズの、「福の助」「馬春」や、北村薫の「円紫」といった落語家や、同じく愛川晶の「神楽坂倶楽部」シリーズの、出版社からの出向中の新米「席亭」代理のの 希美子であったりとか、落語界の「...
蓑輪諒

阿波の「狸」蜂須賀家政は、なかなかの「人物」であります — 蓑輪 諒「殿さま狸」(Gakken)

物語の最初の方では、主人公の大事な相棒として登場して、それなりの役割を果たすのだが、どういうわけか物語の進行につれて、すーっと脇役にうつるキャラというのがあって、豊臣秀吉の物語の場合は、蜂須賀小六がその嚆矢であろう。 本書は、その蜂須賀小六...
星野之宣

「縄文ー1万年の美の鼓動」に刺激されて、『星野之宣「ヤマタイカ」』を読み返した

ちょっと古いTweetなんであるが、佐々木俊尚さんが、東京国立博物館で開催されている「縄文ー1万年の美の鼓動」について 縄文の人々って、世界をどのような目で見ていたんだろう。「縄文の造形は何にも似ていない。後世の日本はもちろん、世界の他の地...
沢渡あまね

「働く」を阻害する「職場」に仕掛けられた罠の数々 — 沢渡あまね「職場の問題地図」 (技術評論社)

「働き方改革」や「時間外縮減」という声が突然喧しくなったのだが、「だから、云々」と、時間外勤務や職場環境の悪さを、「自分とは関係ないですよオーラ」を出した上に、「ここを効率的にしたら・・」ってな発言をしてくる輩にイラっときたことはないだろう...