愛梨と清一郎は、健気に成長しています ー 豊田悠「パパと親父のウチご飯 7」(バンチココミックス)

前話で、愛梨と清一郎に大阪出身の同級生の友人ができたり、千石の鍼灸院に新しいバイトが入ったり、とキャストが増えたのだが、今回は新キャストは脇役程度の登場で、中心となるのは、レギュラー陣となります。
全巻を通じて、料理教室を経営する壇姉妹の登場シーンが久々に多いので、「ゆかり」ファン、「茜」ファンには嬉しいところでありますね。

【収録と注目ポイント】

収録は

31話 肉まん
32話 かつ丼
33話 炊き込みご飯
34話 クレープ
35話 ピーマンの肉詰め
ウチレシピ
パパ飯レシピ

となっていて、31話と32話は、お料理教室の美人経営者の「壇ゆかり」サマが重要なポジションを務めます。最初の話では、肉まんをつくってはみたがカチカチの出来だった千石の名誉挽回の再挑戦の貴重なアドバイザー。二番目の話では、ゆかりサマが主役になりますね。

その32話は、DVの義理の父親の記憶で男性恐怖症になっている彼女が、包丁に対する恐怖心を克服した晴海の言葉に勇気づけられる筋なのだが、展開に重要な役割を果たしているのが「カツ丼」。ゆかりサマが極上の豚肉を使ってつくるものなので美味間違いなしなのだが、彼女の経営するのはカフェ。カフェにカツ丼ってのは普通はないのでは、と躊躇するところを

という愛梨の言葉が扉を「パッ」と開きます。このへんは元気娘・愛梨の面目躍如ですな。ちなみに、ゆかりサマのつくったカツ丼はこんなの。

絶品ですね。

33話は、第4巻で登場した、晴海の担当する人気漫画家・出雲の元アシスタントの栗山が主人公。再デビューは果たしたもののちょっとした壁にあたって悩む栗山と新作への期待が大きすぎてプレッシャーに負けそうに鳴っている出雲が、晴海のつくる「炊き込みご飯」のおにぎりで、再び元気を出していきます。実はその「炊き込みご飯」のレシピは・・、ということでタネ明かしは原書で。ちなみに、栗山クンの描く新マンガ第1巻の表紙もカツ丼っぽいのは偶然であろうか。

34話、35話は、愛梨と清一郎の幼稚園での出来事で、前話は、愛梨が将来の夢で「お姫さま」になると言ったことをからかわれて凹む話であるし、後話は、清一郎が苦手なピーマンを克服する話。どちらの話も、幼稚園の悪ガキ「純くん」が関係しているのだが、この男の子も好きな女の子にはわざと意地悪する昔ながらの「ガキ大将」風の子でなのだが、最近はちょっと二人に押し負けしている感があります。そして愛梨と清一郎の背中を押すのがクレープとピーマン肉詰めなのだが、愛梨を勇気づける

という千石の言葉はすべての就活で意気消沈している人に贈りたいですね。

【レビュアーから一言】

今巻の「パパ飯レシピ」は、フライパンでつくる、スープパスタ。スープパスタというと、パスタを茹でたり、別鍋でスープをつくったり、と手間と洗い物が多くなる料理なのだが、本巻では、パスタを半分に折る、という禁じ手によって、フライパンだけで対応してますね。かなりのズボラをきめこむなら調理から実食まで、フライパン1つで済むレシピが登場してます。

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