事件は「会議室」じゃなくて、武蔵溝ノ口で起きてます ー 東川篤哉「探偵少女アリサの事件簿2 今回は泣かずにやってます」

ロリータ・ファッションに身を包み、表面はいたいけな純真無垢な少女ながら、実はドロップキックを武器に犯人を蹴り飛ばす「名探偵(?)」の両親をもつ、10歳の小学生探偵という異色の主人が活躍するドタバタ・ミステリーが、この「探偵少女アリサ」シリーズの第二巻が本書。

【収録と注目ポイント】

収録は

第一話 名探偵、夏休みに浮かれる
第二話 怪盗、溝ノ口に参上す
第三話 便利屋、運動会でしくじる
第四話 名探偵、笑いの神に嘲弄される

第一話は、椿良太、アリサの本拠地である武蔵新城や武蔵溝ノ口を離れて夏休みに出かけた奥多摩のキャンプ場での殺人事件。今回も、地方での急な捜査のために、楽しみにしてた娘・アリサとのキャンプに行けなくなった綾羅木孝三郎に代わってに良太が付き添うよう依頼をうけたという次第。

キャンプ場へは、綾羅木家の知り合いの高橋一家が所有するキャンピング」トレーラーで行くのだが、途中、パーキングエリアでの進行方向をまちがえたり、キャンプ場近くの山道の三叉路で道をまちがえたりと、いくつかのトラブルに見舞われながらの到着なのだが、一番のトラブルは、キャンプ場近くの川で、キャンプ場の管理スタッフが絞殺されたうえ、川の中に放置されているところに遭遇ぢたことだろう。それまで、昼食のBBQや川遊びではしゃいでいたのが、一度に冷めてしまった上に、キャンプ場は一部閉鎖されたために、宿泊することなく急遽帰還することになるのである。

ところが、これで大人しく家にいるアリサではないわけで、家につくやいなや良太の車で再び、奥多摩キャンプ場へ引き返し、犯人捜しを始めようという根審査である。で、彼女が向かったのは、奥多摩キャンプ場の事件現場、ではなくて、途中、キャンピングトレーラーが道に迷った三叉路のところで、ここに事件を解く物件が置かれているのだが、詳しくは原書で確認してください。

第二話は、南武線沿線のお金持ちの家から貴重品を次から次へと盗み出している「怪盗ウェハース」からの、武蔵溝ノ口の焼き鳥の老舗・鳥男爵の「先祖伝来の秘伝のタレ」を盗み出す、という犯行予告を阻止しようという話。

犯行予告が届いた鳥男爵の主人から依頼を受けた孝三郎から下請けに出された立花良太は、店の主人や従業員とともに、店に泊まり込んでタレの入った壺を見張るのだが、タレの入った壺が保管されている部屋にいた者が、突然の睡魔に襲われて寝込んでしまい、まんまと「タレ」は盗み出されてしまうのだが、その部屋に店の外部から侵入した者はいない。ということは、店の関係者が犯人なのか・・・、といった展開。
タレを盗む目的と、怪盗ウェアハースの本当の狙いが違っているところに注意が必要ですね。

第三話は、アリサの通う「襟糸小学校」の運動会での出来事。良太は、父子家庭の竹本親子から。父親が出張で運動会に参加できなくなったので、代わりに娘の走る姿や演技する姿をビデオ撮影してくれ、と依頼を受ける。これに加えて、綾羅木孝三郎からも、アリサの撮影をしてくれ、という依頼が急遽舞い込む。あわせて、二台のビデオカメラをかかえて運動会の撮影をすることになるのだが、これが、運動会の途中で起きた、父兄の「金時計盗難事件」の謎を解くカギとなる、という筋立て。

第四話は、溝ノ口で、明日のスターを目指して活動している芸人たちに起きた事件で、良太がファンの「デニム&ルビィ」のコンビの片割れ・デニム内藤が、多摩川の河川敷で絞殺されていた、というもの。
このルビィ内藤という人物は、かなり女癖が悪くて、将来売れそうなコンビ「千田万田」というコンビの女性芸人にも手を出していて、このため、恨みをもっている芸人たちも複数いて、彼らの中に犯人が」いるのでは、という設定。ここで、デニムが殺された当日の夜、「デニム&ルビィ」が稽古をしているのを、良太が目撃していた、というのが、捜査を混乱させるのですが、詳細は原書のほうで。

【レビュアーからひと言】

本書によれば、今、人気のタレント「大久保佳代子」さんが、売れない頃、溝ノ口に住んでいた、ということで、「溝ノ口」を特集した「溝の口ウォーカー」の表紙を飾っている、という記載があったので、Amazonで調べたところ、しっかり載っておりました。
この「溝の口ウォーカー」は2013年発売ということで、変化の激しい昨今なので、店なども変わっているかもしてませんが、この「探偵少女アリサ」のシリーズの雰囲気をより身近にしたい方は、中古なら手に入りそうなので、購入されてもいいかもしれません。

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