「iPad」は今でも進化を遂げてて、今回リリーズされるiPadOS13.5ではマウスが使えるようになった、とか。新しいMagicKeyboardと組み合わせるとMacbookのように使えるといった」ことが喧伝されるのだが、ハード面での進化を使いこなすための、ノウハウとかスキルのあたりをうまいこと解説したり、レクチャーしたりしてくれるガイド本というのは、iPadの初心者向けに機能やアプリの網羅的な紹介をしてくれるものは多いのだが、例えばiPadを書籍やファイルを扱う端末として使いたいときとか、ノートとして使いたい場合など、ちょっと凝った使い方をしようと考えた時には、意外に少ないのが現実。
もちろん、そういう使い方をしている人を探してネットを彷徨えばいいのだが、時間をかけるのも面倒。そんな人向けに「ごりゅご.com」の運営者である五藤隆介さんの奥さんの五藤春菜さんが、iPadのバレットジャーナル的な使い方から始まって、iPadを電子ノートとして使い倒すノウハウをアドバイスしてくれるのが本書『五藤隆介・五藤晴菜「iPadオンリーなライフスタイル」』である。
【構成と注目ポイント】
構成は
巻頭 iPadだけで仕事の8割を済ませる
Chapter1 15年使った手書きノートをすべてiPadに変更
iPadでバレットジャーナルは過去に一度失敗していた
GoodNote5の登場ででじたりバレットジャーナルができた
Apple Pencil2の効果
Macを触っている時間よりiPadを触る時間の方が多くなった
(仕事でもプライベートでも)
紙にはできない「検索」ができるのがiPadの良いところ
(iPadは紙よりも便利になったと断言できる)
デジタルならば写真が簡単に貼れる
文房具を持ち歩かなくなったことが荷物が減った理由
持ち運ぶ物がiPadだけになったから異動が身軽に
ためて書くことが減った
消せるし動かせることが便利
ペラペラめくって探せる?
アイデアはどこに保存する
デイリーログには何を書いてる
ノートに書くものと書かないものの違い
失敗を治せるのがメリット
Chapter2 フローティングキーボードでキーボードを分割する
ピンチジェスチャーでのコピペ
メモアプリの手書き文字認識は動いていない?
両手を使ったらもっと早い?
iPadにマウスは必要か
Chapter3 欲しいデータをiPadからパパッと見つける
NotabilityでPDFにしたWebページを管理
Notabilityでセミナーを録音しながらメモを取る
NotabilityでPDFの修正指示を確認
標準のメモアプリは「メモの一時置き場」
メモを移動させたりする?
Spotlight検索を使えば大体のものは見つけられる
すべてのファイルはiCloudに保存が基本
となっていて、ざっくりといえばChapter1が「Goodnote5」を使ったバレットジャーナル的なiPadの使い方、Chapter2がiPadをノート的に仕事やプライベートで使うときの」の便利なTips、Chapter3が、Goodlnote5以外のノートアプリと組み合わせたiPadのノート利用としてのトータルな使い方紹介といった形になっている。
で、こうしたノウハウ本というのは、ライターの人が説明書きやメーカーからの説明などで、パパッと書いたものが多いのだが、本書の場合は、筆者がノートアプリにかなりの投資をしている上に、実際のリアルのノートでバレットジャーナルを実践していた、ということに裏打ちされているのでかなり実用的な「使える」ノウハウ本になっている。特に、筆者は実際に「書いた(?)」iPadの画面が出てくるあたりや、紙のノートの実物との比較が写真でわかるのは、直感的に理解ができてうれしいところである。
【レビュアーからひと言】
五藤夫妻の対談形式で書いてあるので、夫婦の日常会話風のかたちに好き嫌いはでるかもしれないが、読みやすい仕立てになっているので当方は気になりませんでした。
お値段も通常のノウハウ本よりかなり安めであるし、2020.04.02現在、Kindle Unliitedでも提供されているので、会員の方は気軽に読んでみてはいかがでしょうか。
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