アイヌの娘・アシリパはアチャと出会うが金塊の秘密は闇へー「ゴールデンカムイ」13〜14

アイヌの娘「アシリパ」と日露戦争の生き残りで「不死身の杉元」と呼ばれた杉元佐一たちが、明治期の北海道を舞台に、かつてアイヌ民族が明治政府打倒のために集めていた大量の金塊を巡って、幕末の新選組の生き残りの土方歳三や日露戦争で頭蓋骨の上半分を失った第七師団所属の情報将校・鶴見中尉を相手に、金塊の在り処を記した「刺青人皮」の争奪戦を繰り広げる、明治の北海道版ゴールドラッシュストーリー『野田サトル「ゴールデンカムイ」(ヤングジャンプコミックス)』の第13弾と第14弾。

第13巻 盲目の盗賊団を撃破し、舞台は網走監獄へ

構成は

第121話 暗中
第122話 インカラマツ 見る女
第123話 形勢逆転
第124話 思い出の写真
第125話 実りの季節
第126話 門倉看守部長
第127話 本当のチタタプ
第128話 新月の夜に
第129話 五翼放射状平屋舎房
第130話 誘導灯

となっていて、塘路湖あたりに出没する盲目の盗賊団に杉元たちが襲撃されます。

杉元たちは温泉で疲れを癒やしているときだったので、フルチンで武器ももっていない状態だったのですが、熊撃ちの二瓶の愛犬「リュウ」の突入でかろうじで囲みから脱出し、反撃に転じます。最後のところは朝方になるまで戦闘を引っ張り、盗賊たちのアジトである廃旅館を制圧。ここで、土方歳三たちに、首領の都丹庵士ほかを引き渡し、都丹たちは土方の配下となっています。

さて、物語のほうはいよいよ「網走監獄」潜入へと移ります。周囲三方を山に囲まれ、5つの監視櫓と山中の20箇所以上の見張り小屋を備え、機関銃やライフルで武装したここは、さながら小さな要塞状態です。

ここにアシリパたちは、海側から攻めます。河口部に鮭捕りの仮小屋(クチャ)をつくり、そこからトンネルを掘って潜入を試みます。ここは脱獄王・白石の能力が最大限発揮される場面です。

そしていよいよ突入です。看守の門倉を仲間に引き入れたアシリパたちは、月のない夜、盲目の盗賊・都丹の先導で、「のっぺら坊」が収監されている房めがけて、アシリパ+白石+杉元が潜入します。そのほかは、コタンや宿舎で待機したり、川岸に用意した脱出用の丸木舟で待機したりと後方支援にまわります。

そして、「のっぺら坊」の房でアシリパが再会したのは、父親ではなく真っ赤な偽物。待ち構えていた犬童典獄ほかの網走監獄の看守たちアシリパたちに迫ります。さらに、河口部からは鶴見中尉ほかの第七師団と大湊要港部の駆逐艦が迫ってきて、とアシリパたちvs網走監獄vs第七師団の三つ巴のバトルが始まります。

Bitly

第14巻 アシリパ、父親と再会。金塊の秘密は?

構成は

第131話 破壊欲
第132話 蹂躙
第133話 700人の凶悪犯
第134話 教誨堂
第135話 鎖デスマッチ
第136話 最後の侍
第137話 呼応
第138話 喪失
第139話 樺太へ
第140話 アイヌの女の子

となっていて、アシリパたちvs網走監獄vs第七師団の三つ巴のバトルが始まる中、土方歳三はアシリパを本物の「のっぺら坊」のところへ連れていきます。どうやら土方は、「のっぺら坊」が偽物にすり替えられていたのを承知していたらしく、ここらは幕末の戦乱を生き抜いた新選組あがりらしいですね。

そして、網走監獄vs第七師団のバトルは、門倉看守によって700人の囚人たちの房の扉が一斉解錠され、全面戦争に突入していくことになります。

さらに、本物の「のっぺら坊」のもとへ向かうアシリパたちの前には犬童典獄が立ちはだかります。犬童vs土方の戊辰戦争当時から引き続く、旧幕府の忠臣たちを屈服させ支配下におこうとする新政府と幕府の軍人同士の因縁の戦いが二人の姿を借りて繰り広げられることになります。

そしてアシリパは「のっぺら坊」が父親のウィルクであることを確認し、彼が同胞殺しの犯人であると思い、悲しみに襲われます。

しかし、ウィルクは杉元に「アイヌを殺したのは私じゃない」ということを告げ、金塊の秘密を打ち明けようとするのですが、この場面で、尾形が杉元とウィルクを狙撃し・・という展開です。尾形、キロランケともなにか大きな秘密の一端につながっている気配がしてきます。

この後、キロランケ、尾形、白石の先導でアシりパは「樺太」へ向かい、物語は「北海道・網走監獄編」から「樺太編」へと移っていきます。

キロランケの「何とかしないと、俺たちは大国に飲み込まれてしまう」という言葉と、のっぺら坊「ウィルク」の

という言葉が意味するものはなにか、が次の「樺太編」のキーワードでしょうか。

Bitly

レビュアーから一言

「北海道・網走監獄編」は戦闘シーンが多くて、アイヌの風俗を紹介する「アシリパ飯」の出番は少ないのですが、第11巻の塘路湖から北見に至ったアシリパたちが、ここで秋の実りの収穫するシーンは印象的です。神の魚(カミイチュア)の鮭やどんぐり(ニセウ)、ヤマブドウ(ハッ)などとあわせてアイヌ民族の習俗が描かれていますので、ちょっと勉強しておくタームですね。

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