ヤノハは強国「日下」国の侵攻を退け、筑紫国安定化の次の一手を考案する=「卑弥呼ー真説・邪馬台国伝ー」14

古代史最大の謎「邪馬台国」を舞台に、日向の巫女の娘が、権謀術数の限りを尽くして、生き残り、山社の国の女王「日見子」として成り上がり、九州諸国を束ねて、倭統一へと動き出す漫画版・卑弥呼物語『リチャード・ウー・中村真理子「卑弥呼ー真説・邪馬台国伝ー」(ビッグコミックス)』シリーズの第14弾。

前巻では出雲の事代主を助けるため、九州七カ国の兵を率いて本土へやってきたヤノハたちの連合軍を迎え撃つために大軍をもって待ち構えていた「日下」のワカタケ王子の軍勢を金砂国の青谷におびき寄せたところで、日下王との最終決戦が始まります。

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あらすじと注目ポイント

構成は

口伝103 ならわし
口伝104 無類の軍師
口伝105 物忌み
口伝106 三人
口伝107 倭の未来
口伝108 ふたつの密議
口伝109 ふたつの真
口伝110 本当の真

となっていて、金砂国の青谷の浜辺に位置した山門はじめ七カ国の連合軍を取り囲んで小高い山の上に陣取っていた日下のフトニ王の次男・ワカタケ王子を射殺したヤノハたちだったのです、これと同時期に金砂国と吉備国の国境を進軍していた日下の本軍にいたフトニ王も暗闇の中で狙撃されて命を落とします。

ヤノハの密命によって、ここに潜伏していたミマアキたちが暗闇に混じって暗殺を図ったようなのですが、日下軍と戦闘を交えずに「本丸」を斃す作戦は見事です。ここで、フトニ王に随行していたクニクル王子は生かしておくのですが、これにはヤノハの戦を収める秘策がかくされているのですが、その仕掛けは原書のほうでご確認を。

少しネタバレしておくと、ここでヤノハたちが渡来人の部落から手に入れた秘密武器がここで活用されています。

中盤では時を遡って半年前に「暈国」へ移ります。ここでは、伝染病を祓う舞を踊る「田油津日女」が「暈国」の古くからの有力者「五家のタケル」に頼まれて祈りを捧げて回っているのですが、彼女が訪れた直後に、その有力者たちが変死しています。

実は「田油津日女」は「暈国」撹乱のためにヤノハが派遣した女忍者の「アカメ」で、一旦は暈国の志能備たちに捕われて殺されるところだったのですが、鞠智彦によって「五家のタケル」暗殺の仕事を引き受けるのと引き換えに命をたすけられていた、という経緯ですね。
「田油津日女」こと「アカメ」に五家のタケルを始末させ、実権を握った「鞠智彦」は彼女をヤノハの対抗馬となる「日見子」に仕立て上げることを企みます。
しかし、ヤノハに忠誠を誓うアカメはこれを拒否すると、「鞠智彦」は彼女を捕縛し処刑しようとするのですが、そこに現れた一匹の犬が・・という展開です。

後半部分では、一度は「日下」の軍勢を退けたヤノハたち七カ国連合軍だったのですが、体勢を立て直し次第、九州へ侵攻してくるのは間違いありません。

国力としては、本州の「日下」の国は東海地方、近畿地方、中国地方、四国地方に支配権を及ぼす強大な国なので、このままでは敗北必至です。
ヤノハの謀臣・ミマアキは「海の彼方にある大国」の力を借りることを進言するのですが、このプランは「暈国」の「鞠智彦」も思いついていて、ということで。この外交戦に行方については原書のほうでお確かめを

レビュアーの一言

今巻では朝鮮半島と九州との間に位置する「津島国」の「アビル王」が、大陸の政治情勢を情報を使って、「山門」と「暈国」との間で「コウモリ」的な役割を演じています。

「津島」というのは現在の「対馬」なのでしょうが、半島や大陸と日本列島との仲介役を果たすことで勢力を保っていた地域の首長らしい行動を見せていますね。まあ、直接、大陸の強大国と結びつかれると自らの存在価値がなくなってしまうわけなので、無理もないのですが、後に秀吉が李氏朝鮮に攻め込んだときも同じような行動形式を見せているのは興味深い現象です。

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