辺境駐在員

ミステリー

「警察官」として「生き残る」のは誰? ー 長岡弘樹「教場」

警察学校というところは、警察組織の中でも、一般人にはほとんど接するところがない組織なのだが、警察官にとっては採用後の新任のときや、昇任のときなど節目節目で「教育」を受けるところであるので、そこの校長は「警視」以上が務める、警察組織の中でも「...
今 柊二

オジサンが「スイーツ」好きでもいいじゃないか! ー 今柊二「スイーツ放浪記」

「定食評論家」として名高い今柊二氏なのだが、お酒のほうはあまり量がいけるほうではなく、実は、甘いものに目がないというのは、定食本の隅に載っていることはあるのだが、ここまで公になって、しかも、「スイーツ」の特集本まで編まれるのは筆者にしては珍...
今 柊二

「定食」は、ユニバーサル・フードになった ー 今 柊二「定食ツアー 家族で亜細亜」

定食評論家・今柊二氏のおなじみの定食のレポートなのだが、今までの国内各地の「定食」の行脚から、東アジアの国々での「定食」ツアーとなったのが本書『今 柊二「定食ツアー 家族で亜細亜」(亜紀書房)』である。 【構成と注目ポイント】 構成は ソウ...
朝井まかて

江戸の庶民の八つの「人情話」 ー 朝井まかて「福袋」(講談社文庫)

「ちゃんちゃら」や「すかたん」で江戸時代の庶民の生き生きとした姿を描いた筆者が、十二代将軍・徳川家斉の大御所時代から、彼の死後の老中・水野忠邦による天保の改革の引き締めの時代、そして締めすぎて失敗する時代へと続いた世の中の華美がとんでもなく...
高田郁

澪に「料理屋」と「恋」のライバル登場 ー 高田郁「花散らしの雨」

水害で潰れた、奉公していた商家の「御寮はん」と一緒に、上方から江戸へやってきて、「つる家」という小さな飯屋で名物料理を出す、下がり眉毛の女性料理人・澪の活躍を描く「みをつくし」シリーズの第2弾が『高田 郁 「みをつくし料理帖 花散らしの雨」...
高田郁

下がり眉毛の「腕利き」女性料理人、登場 ー 高田郁 「八朔の雪」

時代物の女性主人公とくると、以前は、武道の達人で男装していて、とか、親の敵討ちを志す美しい○○とか、ってのが定番であったのだが、この作品が「女性料理人」という新しい時代小説のジャンルを開いたことは間違いない。 この作品の主人公「澪」は、故郷...
北森鴻

腕利き美人古物商・陶子は贋作をつかまされる ー 北森 鴻「狐罠」

一匹狼ながら目利きの古物商「冬狐堂」こと宇佐見陶子シリーズの連作ミステリー。 今回は、陶子が贋作をつかまされてしまうことから始まる贋作(フェイク)ミステリーが『北森 鴻「狐罠」(講談社文庫)』である 【あらすじと注目ポイント】 発端は、宇佐...
ミステリー

関西弁の”迷”探偵、ここに降臨 ー 黒崎 緑 「しゃべくり探偵 」

十数年前には「関西弁」というと、日本の方言の中でも、なかなか抜けない、標準語に矯正されることの難しい方言として名を馳せていたのだが、漫才や関西芸人の全国的活躍によって、もはや日本中のTVで聞かない日はない、新しい「公用語」の地位を確立してし...
ミステリー

「しゃべくり」はますます快調 ー 黒崎 緑 「しゃべくり探偵の四季」

見事な「しゃべくりミステリー」、というか「漫才的ミステリー」というか、あっとおどろくミステリーの叙述の新方式を披露した「しゃべくり探偵」の続編が『黒崎 緑 「しゃべくり探偵の四季ーボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンの新冒険ー」(創元推理文庫...
吉川英梨

老人の事故死に隠された「連続オレオレ詐欺殺人」を暴け ー 吉川英梨「レッドイカロス」

女性が絡む事件であればどんなものでも首を突っ込むという「女性犯罪捜査班」を舞台に凶悪な犯人たちを相手に活躍してきた「ハラマキ」こと「原麻希」警部補が、活躍の舞台を警視庁捜査第一課八係にうつしての初めての物語が、本書『レッドイカロス 警視庁捜...