ミステリー

ミステリー

田舎の警察署の珍事件は、ますます絶好調 ー 滝田務雄「田舎の刑事の闘病記」(東京創元社)

片田舎にある警察署の刑事課を舞台に、黒川鈴木巡査部長をメインキャストに、その部下、白石、赤木、そして黒川の奥さんをサブキャストにして繰り広げられる、ドタバタかつ支離滅裂なミステリー「田舎の刑事」シリーズの第2弾である。奥さんの一言で精神崩壊...
加藤実秋

渋谷の「ホスト・クラブ」は事件の宝庫 ー 加藤実秋「インディゴの夜」

「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」という言葉から生まれた渋谷のホストクラブ「club indigo」を舞台にしたミステリー、ということなのだが、このクラブのイメージがつかみづら...
加藤実秋

「ひより」の父親の失踪事件の陰には桜田門の「闇」が控えていた ー 加藤実秋「メゾン・ド・ポリス 2 退職刑事とエリート警視」(角川文庫)

新米女性刑事が、警察官OB向けのシェアハウス「メゾン・ド・ポリス」に暮らる、一癖も二癖もある面々とともに、警察の捜査と並行して、勝手に捜査をはじめ、ミスリードしたり、迷宮入りしそうな事件をパキパキと解決していく「メゾン・ド・ポリス」シリーズ...
加藤実秋

新米女性刑事は、オッサンの警察官OBに鍛えられて成長する ー 加藤実秋「メゾン・ド・ポリス 退職刑事のシェアハウス」(角川文庫)

2019年1月現在、高畑充希、西島秀俊主演でTBSの金曜ドラマとなっている「メゾン・ド・ポリス」の原作である。 キャストは、東京都の南西部にある警視庁柳北署の新米刑事の「牧野ひより」を主人公にして、ある政治家と企業の癒着事件によって警視庁を...
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フランス料理のビストロに訪れる客の謎は、美味な料理で解き明かされる ー 近藤史恵「マカロンはマカロン」(創元クライム・クラブ)

街場の隠れた名店のビストロ「パ・マル」っを舞台にした、「タルト・タタンの夢」「ヴァン・ショーをあなたに」に続くミステリーの第三弾。新しいメイン・キャストの登場もなく、ひげの変人シェフ・「三舟」さん、セカンド・シェフの「志村」さん、ソムリエー...
ミステリー

「田舎の事件」は自然味あふれるも、隠し味が「奇妙な」味 ー 滝田務雄「田舎の刑事の趣味とお仕事」(創元推理文庫)

田舎の警察署の刑事課を舞台に、ワサビ泥棒であったり、ストーカーの殺人未遂事件であったりを、田舎風に味付けした事件を、探偵役の「黒川鈴木」が見事な推理で解決していく話なのだが、この投げやりな名前を見てもわかるように、颯爽としたミステリーではな...
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街なかに潜む不思議な味わいの「謎」の短編集。(と思いきや・・) ー 沢村浩輔「夜の床屋」(創元推理文庫)

「佐倉」という、どことなくシニカルなところのある男性を主人公に語られる、ちょっと浮世離れしたミステリーの数々のである。舞台となるのは、山中の無人駅近くの理髪店、海霧がよく出る田舎町のアパート、街中の廃工場、海べりの古い別荘、といったところで...
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菜の花食堂、新たなスタート。そして優希ちゃんも ー 碧野圭「菜の花食堂のささやかな事件簿 金柑はひそやかに香る」

「靖子先生」一人でひそやかに運営してきた菜の花食堂も、押しかけ弟子入り志願の「香菜さん」や、アシスタントの「優希ちゃん」たちによって、ピクルスの瓶詰め販売や、夜間営業と、経営拡大に踏み出し始めるのが、菜の花食堂シリーズの第三弾が本書『碧野圭...
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菜の花食堂の謎解きはますます快調。優希ちゃんも元気に活躍です ー 碧野圭「菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日」

東京郊外にある一軒家を店とする小さなレストラン「菜の花食堂」を経営する「靖子先生」、彼女の主宰する料理教室を、派遣の事務職のかたわら、アシスタントとして手伝っている「優希ちゃん」をメインキャストとする、ほんわかミステリーの第二弾が本書『碧野...
ミステリー

郊外の小さな料理教室は、小さな謎解きの宝庫でもある ー 碧野圭「菜の花食堂のささやかな事件簿」(だいわ文庫)

料理を題材にしたミステリーは数々あるが、料理人を主人公にしたものは、近藤史恵さんの「ビストロ・デ・マル」シリーズとか、友井羊の「スープやひつじ」シリーズとかがあるのだが、東京の武蔵野にある料理教室を舞台にした、この「菜の花食堂」シリーズも、...