コミュニケーションの基礎「雑談」のキモをまとめてみた

「雑談」というと以前は「ムダ話」とか「ヒマつぶし」といったマイナスのベクトルで語られることが多かったのだが、企業のビジネス環境や働く環境が厳しくなって、職場がギスギスしたり、対人関係に苦手意識を持つ人が増えていくにしたがって、円滑にコミュニケーションをとる方法として、その価値が再評価されてます。

そんなあたりから、何冊かの「雑談本」をもとに、 コミュニケーション技術の基礎でもある「雑談」の達人になるキモをまとめてみました。

◇ 雑談力が高いとこんな時に有利 ◇

①ビジネス

ビジネスを進めていく場面では、取引先と交渉したり、新商品のプレゼンや新規顧客を開拓したり、といった「人と会う」場面が大半を占めています。そんな時に、相手の状況は構わずに、自分のビジネスの「売り込み」を喋る人は、おそらくはいないはず。
でも、いざ相手と会ってビジネスの話をするときに、うまい切り出しとか、商談への誘導とかはかなり気を使ったり、緊張するもの。
そんな時に「雑談」という武器があれば心強いのは間違いないですね。そんな心のゆとりがビジネスでのゆとりにもつながります。

②恋愛

合コンとかの場面で、話題の中心になっている人を見て、うらやましく思った経験は、ほとんどの人がしているはず。そんな時に、その中心となっている人のしている「話」の内容をよく観察してみてください。おそらく、専門的な高尚なものではなく、ごく「他愛もない」ことであることが多いのではないでしょうか。
その「他愛もない」」けど「面白い話」の中身は、「雑談」です。

③転職

転職活動の「キモ」は、有利な条件の仕事を探して、自分の能力をアピールすることだけではありません。自分の能力をきちんと評価してもらえる環境を作り出すというのが一番難しいもので、その環境づくりに「雑談」が効果を発揮します。特に、面接官や転職先の重役がどんなところに評価のポイントを置いているかは、フツーに話しているだけではわからないもの。雑談を通じてそのあたりを探り出すことができれば、要点をついてアピールができますね、

このほかにも、雑談の名手になればなるほど、人が話を聞きに会いに来る回数が増えたり、雑談でウケるネタを探すために、情報収集や外出、チャレンジが増えることにもなるので、「ボケ防止」にも有効ですね。

◇雑談力の磨き方◇

①相手を観察する

「雑談」というと、「とにかくウケる話」をすればいいと思う人もいるかもしれないが、重要なのは。相手方の懐にいかに早く入って、こちらの話を聞いてもらったり、相手の本音を引き出すということ。なので、「相手」にマッチした話をしかける、というのが基本になります。なので、相手の「興味」とか「関心の高いもの」をしぐさとか会話のはしばしでつかむために、まずは「観察」することが大切ですね。

②深く好奇心を持つ分野を複数決める

相手の興味に合わせた話をするといっても、浅い知識で雑談をしかけても、上っ面だけの話になりかねません。かといって、すべての分野にわたって深い知識を持つ、というのも無理な話。まずは、本を何冊かまとめて読んだり、ネットで集中的に調べる分野を2~3決めましょう。1つにすると、その分野だけに絞った専門家みたいになってしまいがちになって、その分野が相手の興味を全く引かない分野だと悲惨なことになってしまいます。

③「ネタ」の在庫を定期的に増やしたり、更新する

一回仕入れたネタをブラッシュアップしていくことも大事です。雑談は「旬もの」のようなところがあるので、時事ネタだけでなく、ちょっと専門的なネタも定期的に更新しましょう。さらには、②で仕入れたネタの分野の枠を広げていくのも大事なことですね。

◇雑談力が高い人になるためのチェックポイント ◇

「雑談がうまい」というと、いつも話題の中心で、こちらから話しかける場面を想定してしまうのだが、実は「雑談の名手」は、相手から話を引き出す名手であることに気付かれていない。雑談の用途を、相手側のガードを下げて、相手の興味関心を引き出して、こちらのビジネスの話に引き込んでいくという風に考えると、相手にいかに話をさせるか、話のキャッチボールを続けるか、といったことの重要性に気付くはず。

雑談の際には、自分の話をすることは3割ぐらいにして

①相手の言うことを「否定しない」
②相手の話を「聴く」
③相手の話を「発展させる」

といったことに気を付けましょう。

◇雑談ネタの集め方の「キモ」◇

ネタを集めるというと、ネットからの情報収集を中心に考えてしまいがちなのだか、意外に侮れないのが「アナログ情報」。こうした「アナログ」情報は、仕上がりや出版までに多くの人の手がかかっているので、その間に不確かなガセネタは自然に淘汰されることが多いというのがポイントですね。

〇新聞〇

池上彰さんぐらいのレベルになると、一般紙はほとんど購読し、そのほかの専門紙、業界紙も複数読んで情報収集に努めているとのことだが、我々のような一般人はなかなかそのレベルの維持は、時間的にも財政的にも難しい。ここは、一般紙1、日経などの専門紙1からの情報収集というレベルの維持に努めましょう。
この時、気になる記事をスクラップする、というのが情報管理のノウハウで上げられることが多いのだが、正直、新聞を紙で破って保存、といった紙媒体のスクラップの方法として一番簡単なものでも、後の整理などが大変。ここは、電子版の活用を考えましょう。

〇書籍・雑誌〇

新聞はトピックなニューズの情報源としては優秀なのだが、そのネタを深掘りしておくためには、やはり、書籍、雑誌は欠かせない。ただ、雑談ネタの間口をひろげようと思うと、それ相応に費用の点も馬鹿にならない。ここは、「Kindle Unlimited」とか「楽天マガジン」とかのサブスクリプション・サービスを上手く利用するのがおススメです。特に「雑誌」系のネタの仕入れをするときは、男性の場合でも、一般ビジネス誌以外に女性週刊誌とかでネタ仕入れをすることが大事なことあるのですが、楽天マガジンであればデフォルトで主な女性週刊誌・月刊誌を人目を気にせず読めるので余計なストレスを抱えることがないですね。

〇ビデオ・テレビ〇

上2つのような「紙ベース」と違って、映像ベースの情報収集の場合に注意しないといけないのは、視聴に時間がかかるということ。
このへんは、成毛眞さんが、「俺たちの定年後」で定年退職したら「全録レコーダー」を買えといっていたアドバイスが参考になるんでは、と思います。要は、CMを飛ばしたり、必要なところだけを見たり、という形で「ななめ読み」」ならぬ「ななめ視聴」ができる環境を構築しておくべき、というところですね。

◇まとめ◇

「雑談力」を磨いていくと、今まで固い扉と思っていた交渉相手や、そっけない対応しかしてくれなかったあの人から意外な反応がでてきて驚くことがよくあります。特に「対人関係」に悩みの尽きない人は、「雑談力」のアップにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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